どうも、だねるねです。
今回はダスカー人の差別と、イングリットについて語らせていただきます。
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前提として、まず差別という行為は許されるものではありません。
この記事は差別について容認するものではなく、あくまでフィクションのことやキャラクターについて語るものです。
ダスカーへの差別=復讐・私刑
風花雪月で一番目立つ差別は、やはりダスカー人への差別でしょう。
悲しい話ではありますが、青獅子の学級の生徒のひとりであるドゥドゥーへの仕打ちや支援会話での内容などがあるため、非常にプレイヤーに印象が残ります。
また、自分の学級に選ばなくても、本編第一部の散策時にNPCやイングリットがダスカー人についてコメントしているため、青獅子ルートを選ばなくても目に付くようになっております。
その差別の理由となっているのが、復讐や報復、そして私刑です。
復讐や報復としての差別
ファーガス王国の民からすれば、事実はどうあれ、ダスカー人は国王を謀殺した罪深い人間たちです。
時代背景を考えれば、王国民にとっての真実は、摂政であるリュファス(王国)による布告がすべてです。そこに疑う余地などありません。
何より、王国が"ダスカー人が国王を殺したので討伐します"と実際に虐殺をしてしまっているので、王国民はダスカー人を憎むのが当然のように仕向けられてしまっています。
何故ダスカー全体を憎む?
平和な時代に暮らすプレイヤーからすれば、ダスカーの悲劇で本当にダスカー人が主体のものだったとして、ダスカー全体を恨むのはおかしいのでは?という考えが自然と浮かびます。
生徒たちも皆、ダスカー人であるドゥドゥーをダスカーの民だからと差別したり、酷い仕打ちをすることはありません。
王国の人間である青獅子の学級の生徒たちも、ドゥドゥーをダスカー人としてではなく、ひとりの学友として見ています。
しかし、前述したとおり、王国の民からすれば「王国がダスカー人を悪だと言っている!」という感覚なので、青獅子の学級の皆のように考えられる人間は時代背景的にもなかなか難しいのではないでしょうか。
身近にダスカー人がいなければ、なおさら難しそうです。
正義の名の下に行われる、差別という私刑
嫌いなものにダスカー人と記され、散策時にダスカー人を許さないとまで言っているイングリットですら直接的にドゥドゥーに何かすることはありません。
一方、正直王国の民ですらなさそうなNPCのセイロス教団員が「ダスカー人は信用ならん」みたいなことを言って、ドゥドゥーを差別しています。
自分の国の王様を殺されたわけでもなく、近しい人間が殺されたわけでもない人間が当然のようにダスカー人を差別するのは何故か。
それは、"ダスカー人は悪だから罰せられるべきだ"という大義名分からの私刑による差別であると考えられます。
正直こっちの方が質が悪いし、理解に苦しみます。
見た目や異質なものとしての差別ではない
今回改めて感じたのは、"ダスカー人を見た目などで差別している描写はない"という点です。
まぁ、今の時代にそんな描写をすれば、いくらゲームというフィクションでもいろいろ批判が出てしまいますから、当たり前なのですが。
口にしていないだけで、見た目とかについて差別がまったくないとは言い切れないか?
少なくとも表面化はされていないですね。
イングリットとダスカー人
イングリットは残念ながら、第一部の散策時の会話で一部の人に嫌われてしまっているようです。
海外ではレイシストとまで言われているとか。
私はイングリットが大好きなので、擁護的な記述になってしまいますが、正直イングリットを差別主義者と言われてしまうと、首をかしげてしまいます。
直接的に攻撃はしていない
前述した通り、本編第一部イングリットはダスカー人を嫌ってこそいるものの、ドゥドゥーをはじめダスカー人に直接攻撃するようなことはしていません。
何より、ドゥドゥーとイングリットの支援会話Cでイングリットは「あなた(ドゥドゥー)が憎いというわけではないのです」「私にとっても大切な仲間」とまで言っています。
支援Cまでの関係を築いたからこその言葉とも取れますし、ディミトリや学級の皆がいるというのも大きいのかもしれません。
しかし、イングリットの人柄を考えると、ダスカー人をむやみやたらに傷つけたいわけではなく、婚約者であったグレンを殺したダスカー人を許したくはないという思いが強いのではないかなーと思います。
憎悪に縋るしかなかった面
無双のディミトリとの支援会話にて、イングリットは早くにディミトリから真実を聞いていたとしても受け入れられなかっただろうことや、憎しむ相手がいなければ正気を保っていられなかったというような趣旨の発言をしています。
グレンを失ったイングリットは、しばらく部屋に引きこもってしまうほど精神的に弱ってしまっていました。
そんな彼女を部屋から出したのはシルヴァンだったわけですが、そこからまた歩き出すには、復讐や憎悪に縋るのが必要だったのでしょう。
ディミトリとの比較
先に言っておきますが、私の風花雪月の最推しはディミトリです。
ですが、あえて言います。
個人的には、イングリットよりもディミトリの方が、復讐に関しての攻撃性は高いと思います。
ダスカー人を憎まなかったのは、あくまで現場にいて真実を知っていたからで、イングリットと同様に真実を知らなければ、作中のエーデルガルトや帝国に対する行動と同じ強い憎悪を向けていたことは想像できます。
第一部終了~第二部前半までのディミトリは、ご存じの通り、帝国軍にえぐい仕打ちをしております。
ダスカーの悲劇に直接加担したわけでもない軍人に、"王国へ攻撃した帝国軍だからという理由"で、です。
2人の違いは"肌が黒いダスカー人"と"肌の白い帝国の人間"というだけ。
直接の復讐の相手でない人間たちをひとくくりにしていることに変わりありません。
イングリットがレイシスト扱いされるなら、ディミトリも同じように扱われるべきでは?と思ってしまうのは私だけでしょうか
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もちろんイングリットがレイシスト扱いされているのなら、というだけで、イングリットもディミトリもレイシストでも差別をしているわけでもありません。2人はあくまで復讐心が強いというだけです。
現代の差別と同じベクトルで語るのは、そもそも筋違いともいえます。
イングリットが嫌われてしまう理由
イングリットは自分の学級に選んでいなくても、第一部散策のときにダスカー人への発言をプレイヤーは見ることができます。
何より、プロフィールに嫌いなものにダスカー人と書かれています。
イングリットのキャラクター性や、ダスカー人を憎む経緯を知らない人間が散策時の発言だけを見たら、そりゃ「こいつ差別しとる!!」ってなりますよね……しょうがない……
プロフィールには経歴もありますが、嫌いなものの欄しか見ない人もいるかもしれません。嫌いなものの部分だけ見たらやっぱり「こいつ差別しとる!!」ってなるわ
対して、ディミトリの帝国や復讐相手への残忍さは、青獅子の学級を選んだ際にだけ、ディミトリというキャラクター性を十分理解できる中で描写されています。
ここの違いが大きいんでしょうね
一度イングリットを嫌いになってしまったら、イングリットの支援会話なんて見ないでしょうから、ドゥドゥーとの支援会話の発言なんて知らないだろうし、グレンが死んで引きこもるまで精神的に追い詰められていたなんて経緯も知るはずがない
しょうがないとはわかっていても、イングリットちゃんは良い子なので、嫌われているのを目にするとちょっと辛いですね……
ちょっと最近この件についていろいろ考えて悶々としていましたが、ブログ記事で書いたら自分の中でも整理できて、落ち着きました
本日は以上です